染み抜きによくある質問

◆シミが付いた時の処理はどうしたらよいですか?

乾いたタオルやティッシュで吸い取る程度が良いです。濡れたタオルなどで拭いたりこすったりせず、速やかに専門家に見てもらってください。水を使って叩くと広がりますので結果的に染み抜き料金が高くなることがあります。


◆自分でシミ抜きできますか?

着物のシミ抜きは設備が必要ですのでご自身でのシミ抜きは控えた方が良いと思います。理由としてはシミを流したりシミや溶剤を綺麗に抜くことができないと思います。シミ抜きの機械では溶剤をたっぷりの水で流しながら裏側からバキュームで吸い取ると同時に速やかに乾燥させることができますが、ご自宅ではそれができないと思います。ご自身でやるとシミが薄く広がる程度で見えにくくなる程度だと思いますので、将来的に変色している可能性があります。

また、シミが付いた時に自分で何かしたくなると思います。またその時にしみ抜きを検索すると着物の染み抜きに関する情報が出てくると思います。インターネットで掲載されている内容は間違ってはいないと思いますが、その記述が広告目的の情報の場合がありますので、どのような目的でその内容を明記しているのかを確認する必要があります。しみ抜きは経験上、理屈が3割程度で経験が7割程度必要だと思います。いくら理屈が分かっていても実技(染み抜きの経験)がないと失敗する可能性が高く、また失敗した時に自分で修復できないため結果的に専門家に相談することになります。その場合、シミが薄く広がっている場合が多くシミ抜きする前よりも高くつくことが多いです。


◆染み抜きはベンジンでするのですか?

染み抜きの基本は油性の汚れは油性処理、水性の汚れは水性処理が必要になりますので、ジュースのシミをベンジンで一生懸命シミ抜きしても落ちません。よくベンジンの話がでてくるのは衿のファンデーションの汚れだと思います。作業をされる場合は、経験豊富な片からレクチャーを受けながら作業をされることをお勧めします。

◆シミ抜きにはどのような溶剤を使うのですか?

シミに応じた薬品を使い、最終的に有機溶剤や水で流しますが、着物がシミになる前に速やかに乾燥させます。例えばマジックインキやボールペン、口紅などは油性の溶剤を使い、またスープなどの食べこぼしは、油性と水性の処理を行います。

◆雨が降った時に着物に水ジミができました。

着物に水がかかった時にその部分が乾いても一段濃く見える現象ができます。特に縮緬系の生地は顕著にでます。光沢異常と言いますが、着物が濡れたことにより部分的に縮み、その部分が濃く見える現象です。水が付いて縮んでいるだけなのでシミとは言いにくいですが、一般的に水ジミと言っています。それを目立たなくするには全体を水に付けて洗う洗い張りがお勧めですが着物を解き仕立て直さないといけないため高くつきますので、一般的に部分的に水でぼかしながら目立たなくします。

◆汗をかいたらシミができました。

水ジミと同じ原理で濡れた所が縮みによって一段濃く見える現象の場合は光沢異常ですが、汗の場合は将来的に茶色く変色している可能性が高いので長襦袢も着物も汗が付く部分を水溶性の溶剤で流している方が良いです。

◆血液がついたのですがシミ抜きできますか?

はい。可能です。血液は時間との戦いのため速やかに専門店に出してください。数か月など放置するとシミ抜きが困難になってきます。また染み抜きなしでクリーニングに出さないでください。通常の着物のクリーニングでは血液は落ちません。またクリーニング後にアイロンでプレスします。高温で血液をプレスするとさらに取れにくくなりますので、必ず先に染み抜きしてからクリーニング(丸洗い)をしてください。

◆30年前のシミも染み抜き可能ですか?

はい。100%とは言えませんが目立たなくできることが多いです。時間のたったシミは着物に定着してしまっていることがあり生地自体が変色してしまっていることがあります。その場合は通常の染み抜き後で落ちなかった部分は漂白や染色が必要になります。

◆シミ抜きできない場合の理由は何が原因ですか?

いくつかの原因があります。まず生地が弱っているものです。アンティークなど100年くらい前の着物になると生地が弱っており染み抜きの溶剤や水圧に負けてしまうため染み抜きが困難になります。また着物の場合、絹が一般的ですが化学繊維の場合、時間のたったシミは難しい場合があります。

◆紬の染み抜きを断られました。

新しいシミですと普通は大丈夫なことが多いですが、江戸小紋・鮫小紋などは柄が小さな型染で古いシミの場合は漂白など強い溶剤を使うとにじんでしまうことも多く、柄が小さいため染色も難しく修復が困難な場合が多いです。また大島紬など紬は先染めで、糸を染めて柄を作りますので、漂白すると柄がにじんだりすることもあります。同様に染色が難しいためお断りされるお店もあると思います。ただ絶対に無理という訳ではありませんのでご相談いただければと思いますし、仕立ての技術で見えない部分と交換するなども可能な場合がありますので、お気軽にご相談ください。

◆染み抜きの料金はどのように決まりますか?

各お店によって見積もりの仕方は異なってきます。基本的な考え方は、シミ抜きにどの程度の時間がかかるかだと思います。大きいシミでも短時間で落とせるシミもあれば時間をかけながら少しずつ染み抜きしていくシミもあります。これはシミの種類と生地の種類、また時間経過で染み抜きの難易度が変わってきますので専門店以外では一度職人に見せるため見積もりに時間がかかることがあります。